EVENT REPORT イベントレポート

『若手リクルーター養成講座』イベントレポート(Vol.1)

令和5年度から新潟市が実施する「若手リクルーター養成講座」。

市内企業の若手社員を、組織を牽引する次世代リーダーやリクルーター活動に携わる人材として育成・定着させることを目的とした、全6回の連続講座です。講師にはグローリンク株式会社代表取締役 中籐美智子(なかとう・みちこ)さんをお迎えし、グループワークを通して異業種・同年代社員と交流を深めながら、リクルーターとして必要なノウハウの獲得や自身の内的キャリアの再発見、自社の魅力分析などに取り組んできました。

9月28()開催の第3回講座は「自社の魅力を定義」というテーマでした。今回はそのときの様子をイベントレポート形式でご紹介します

 

自社の魅力を再発見する

まずは前回までの振り返りからスタート。講師の方から改めて、これまでの流れと第3回のテーマについて説明がありました。

中籐さん:第1回では「自分の軸の確立と内的キャリアの再発見」をテーマに、現在の新卒採用の市況感や学生の動き、リクルーターにとって必要な要素をお伝えさせていただきました。第2回では「リクルーターノウハウと生きがいの明確化」をテーマに、内省と対話を通して自己発見をしていただいたと思います。

第3回である本日は、学生から見た自社の魅力とは何か、どのようにお伝えすると分かりやすいのか、気づきを得られる時間にしたいと思っています。会社の中にいると逆に見えにくくなる自社の魅力ですが、グループワークを通して新しい発見をしていただけるかと思います。

アジェンダは3つで、「自社の魅力分析」「ターゲット学生の設定&訴求ポイント」「効果的なプレゼンテーション」となっています。それでは、はじめましょう。

講師を務めた、グローリンク株式会社代表取締役 中籐美智子さん

 

(アジェンダ1)自社の魅力分析

振り返りが終わった後は、いよいよ第3回の講座の内容に入りました。まずは講師の方から、選ばれる会社の特徴について解説がありました。

中籐さん:第1回でもご説明しましたが、マイナビさんが出している24卒学生対象のアンケートによりますと、学生は企業選びの際、社風や社員の雰囲気、安定性、待遇を重視していることがわかります。もちろん、具体的な業務内容も見ているとは思いますが、座談会やインターンシップを通して会社の雰囲気や従業員同士のコミュニケーションの取り方などを見られている可能性が高いです。

また、ワンキャリアさんの調査結果によると、会社選びで最も重視するのは会社の規模感やネームバリューより、「自分のなりたい職種を実現できそうか」だと分かります。会社は求職者に入社後の姿をイメージしてもらうことが求められていると言えると思います。ぜひ、この調査結果を意識して、本日のワークに臨んでもらえればと思います。

 

続いてグループワークの時間です。受講生は宿題だったセルフインタビューと自社メンバーへのインタビューの内容を、グループ内で発表しました。発表者以外のグループメンバーは発表を聞き、学生視点でどう見えるのかフィードバックをしました。

 

(アジェンダ2)ターゲット学生の設定&訴求ポイント

続いて、「ターゲット学生の設定&訴求ポイント」のアジェンダです。改めて、講師の方よりターゲット学生設定のポイントについて解説がありました。

中籐さん:ターゲット学生の設定方法はいろいろありますが、今回は4つのステップを踏むやり方についてお伝えします。

ステップ1は、採用実績の分析です。これまで採用した人材のなかで、どんな人が活躍しているのか、逆にどんな人が早期退職をしたのかについて整理をしましょう。細かい分析により、自社にマッチした人の行動や思考のパターンが見えてきます。

ステップ2は、中長期的な経営計画の確認です。簡単に言うと、採用計画や求める人材像について経営者層とのすり合わせをおこなうことを指します。採用活動は経営戦略と密接につながっていますので、現場の担当者の視点だけで考えるとズレる可能性があり、それを防ぐには確認が必要です。

ステップ3は、must(必要要件)とwant(歓迎要件)を決めることです。中途採用も担当されているリクルーターの方はすでに実施している人も多いのではないでしょうか。新卒採用の場合、中途採用ほど能力のばらつきがあるわけではありませんが、整理をしておくことで訴求内容を考えやすくなります。

ステップ4は、ペルソナの設定です。実際の採用活動ではペルソナ通りの人を見つけることは難しいかもしれませんが、設定をしておくことでプレゼン内容を考えやすくなります。ペルソナは1つに絞る必要はありません。職種ごとに分ける、mustとwantで分けるなど複数のパターンを用意しておくのも良いと思います。

解説の後は、個人ワークの時間です。自社の考えを整理するためのシートが配られました。シートは「ターゲット学生の設定」「ペルソナの設定」「ターゲット学生への訴求ポイントの検討」の3種類です。段階を追って記入することでスムーズに整理が進められるようになっていました。

 

(アジェンダ3)効果的なプレゼンテーション

次に、最後のセクション「効果的なプレゼンテーション」です。講師の方からの解説がありました。

中籐さん:プレゼンテーションの内容を考えるうえでまず重要なのは、学生がどんな情報を望んでいるのかです。マイナビさんの調査を一つ紹介させていただきます。

とくに注目して欲しいのは、黄色の「聞きたかった内容」と青色の「聞いた内容」にギャップのある項目です。「具体的な仕事内容」は黄色も青色もほとんど一致しています。しかし、赤枠で囲った「社風・社内の雰囲気」「入社後のキャリアモデル」「入社後の待遇」については少し乖離があります。学生は聞きたいと思っていても、企業側がうまく伝えられていないケースが多いのです。プレゼンテーションをつくる際は、ぜひこのギャップも意識してもらえればと思います。

 

続いて、今後の講座の流れについても説明がありました。最終回では受講生それぞれが、実際に学生の前で会社説明をおこなうとのことです。その前準備として、各参加者はシートをもとに何を伝えるのか、改めて整理をおこないました。

最後に、次回以降の講座テーマと宿題の共有があり、第3回の講座は終了しました。

次回、第4回目の講座は10月26日(金)に開催されます。テーマは「リーダーシップを形成」で、リーダーの役割・タイプを知る、自分の特徴を活かしたリーダー層を考える、といったプログラムを予定しています。最終回である第6回目の講座は12月20日開催で、講座を通して再発見・再構築した自社の魅力を、現役学生に向けてプレゼンします。こちらの様子もレポートいたしますのでご期待ください。

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